「先生行った?」
「行った行った」
「お母さん買いもの行ったで」
「30分は帰ってこないで」
人はサボる。
見てないとサボる。
人は気が緩む。
見てないと緩む。
これは変えられない真理。
46時中真面目に働ける人、やるべきことをできる人がどこにいるだろうか。
そんなストイックな人はいないんじゃないだろうか。
ここルワンダでだって一緒。
うちのスタッフたちは子どもみたいなもんだから、絶対サボる。
ただ、昨日はちょっと酷かった。
私の外出中にほとんどのスタッフがサボった。
インターンの女の子に悪態をついた。
朝は久しぶりにお金までなくなった。
閉店後もサボりが続いた。
久々の一切笑いなしの全体ミーティングの後、マネージャーミーティングをして話し合った。
9月から導入したこのマネージャーミーティングでは、ルワンダ人マネージャーのジョン&カミカゼと日本人チームが、
それぞれの持ち場で起こっていることを報告し合い、それぞれの課題や提案を出し合う。
とてもいい仕組み(イケメンKくんありがとう、やっぱイケメンは違うわ)
ジョンとカミカゼの提案は
「空気を乱す者を休職させ反省させること」
誰がその者かは、誰の目にも明らかだった。
古株でうちのセキュリティーガードからシェフになったオリビエと、シェフとして勘がよくて腕も悪くない最近どうもオリビエと付き合っているらしいノエラ。
誰がどうみても彼らはちょいワルだった。
そりゃそうだよね、私が問題だって感じているのだからもっと近くにいるカミカゼとジョンは気づいているよねぇ。
一晩考えて、ノエラのほうには
「クリスマス終わるまでもう来なくていいよ」
と伝えることにした。
オリビエのほうはうちのセキュリティなこともあってクリスマス後に解雇を告げる。
人を切るのは心苦しい。
これまで何人のスタッフを切ってきたか。
そして一番気を遣うのは恨みを買わないこと。
これは新興国特有の人材マネージメント問題かもしれない。
生活に直結して一家皆の、暮らし、命にも関わる超重大な「雇用」と「解雇」
雇うのも、雇い続けるのも簡単。
でも解雇をするのはとても難しい。
あらゆる要素、可能性を調べて考慮して配慮して、準備をしてやめさせる。
どれだけ準備をして整えても、おとなしく話を聞く姿をみると、よかった頃、いいところを想ってしまう。
またよくなるんじゃないか、ほんとに反省して変わるんじゃないか。と思ってしまう。
でもそんな気持ちを抑えて自分の決断を信じて、告げるのです。
「私は一度決めたことは絶対に変えないから」
それが私なんだ。と。
今のところほとんどすべてのスタッフが円満退社で、道で出会うと
「ハローボス!」って声をかけてくれたり、頼んでないのに近況報告のメールをくれたりする。
でも絶縁したモリーンみたいなのもいる。
人と働く限り、一生続くこの雇用と解雇。
乗り越えるたびに私の魂が成長している気がします。