長男の幼稚園選び
2015年 12月 09日
耕士郎がローカルのチャイルドケアから今の幼稚園、アーツキッズArts Kidsに”転校”をして初日に言った言葉は衝撃的でした。
シンガポールでは早期教育に重点が置かれています。
特にローカル幼稚園は厳しく、テキストや知育玩具を使ってお勉強をし、まるで塾のよう。
耕士郎の前の幼稚園はローカルでモンテッソーリ教育を取り入れていました。
はじめて幼稚園を訪れた時、整然とした教室、先生の指示に従いお行儀のいい子どもたちに感激したものでした。
子どもたちはかなりの時間を右脳を鍛えられそうな知育玩具とじっと向き合っています。
日常生活はもちろん英語、さらに毎日中国語の授業がありました。
家でも復習をするようにと持って帰ってきた中国語のテキストは小学生のドリル!
アルファベット学習帳にはびっしりなぞり書きした文字が並んでいました。
しかし興味がないのか耕士郎は全く上達せず…。
筆圧も低いし鉛筆もちゃんと持てない。
「この年の子は”普通”はこれくらいできます」
と先生に見せられた他の園児の学習帳をみせられ、
「家でも練習させてください」
と言われていました。
でも耕士郎が1年通って書けるようになったのは数字の「1」と「7」だけ。
1歳から読み書きを教えるというローカルの幼稚園、とてもついていけそうにはないなぁ…。
日本では1年中外で遊ぶ子だったので、1日中室内でお勉強というのはあんまりじゃないか。
もやもやしていた頃、ブキバトネイチャーキッズ(外遊びの会)でいつものように遊んでいた時、楽しそうに森にやってきた子どもたちの集団がいました。
手を繋いで並んで歩き、砂や葉っぱ、木の枝を使っておままごと。
先生は森のほうへ子どもたちを誘い出す…
「どこの幼稚園ですか?」
引率していた先生に声をかけ、次の日早速見学に行きました。
『Arts Kids』
うちから徒歩10分程度、元消防署の建物をリノベーションしたちょっと洒落た雰囲気の幼稚園。
そして即転園を決めました。
前の幼稚園では、ゼロスタートだった耕士郎の英語は幼稚園児の日常生活に不自由がない程度に伸びました。日本人が誰もいない中、回りの様子を見て行動し、自分の思いを伝えるというのは高等技術。
かなり鍛えられたと思います。
モンテッソーリのワークやお勉強で集中力もかなりつきました。
校長先生は筋の通ったデキるインド人のおばちゃんで尊敬できる人でした。
園児も多国籍で、1歳から6歳、全学年同じ園舎で学ぶという素晴らしい環境。
でも耕士郎には合わなかった。
どんなにいい教育でも向き不向きはあるのだと思いました。
そもそも親視線の”いい教育”が本当に子どもにとっていいのかどうかはまた別。
粘り強く続けることも大事ですが、見切りをつけて次のステップに進むこともまた大事。
いろいろな可能性のある世の中、縛られることはない。
そこで自由に動ける柔軟性、”生きる力”を教えたいなと思った幼稚園選びでした。
とにかく、今の幼稚園に変えてからはいろんな新しいことができるようになり、本当に毎日楽しそうに幼稚園であったことを話します。
長くなったのでまたそれはこれから書いていきます。


前の幼稚園で使っていたテキスト