W王のいなくなった後
2010年 09月 01日
今まで二人に頼っていただけに、一人旅に不安がないといったら嘘になる。
でも私は絶対にウルムチまで自転車で行きたい!
私はラッキーだった。
見事なタイミングで台湾の青年 藍くん と出会ったのだ。
老王が転倒し自転車をおりる前日、星星峡という町で「3人のほうが安いから」と3人で宿をとった。
そして早朝、高速道路を一緒に走り、ハミにやってきた。
その途中、老王は転倒し肩を強打。
もう走れないと判断した。
「私の不注意だ、ほんとうに申し訳ない」
老王はうつむいて謝ったあと、
「みおはどうする?」
と問いかけた。
もちろん走りたい、ウルムチまで行きたい。
「わかった」
そして藍くんを説得したのだろうか。
彼はハミからウルムチまでの5日間、一緒に旅することを快諾した。
私は一人になることなく、心強い(力強い!)仲間を得ることになった。
若干強すぎたけど(笑)
約650kmを5日で走る。
先を行く小王から、トルファンを通るルートは現在向かい風が強すぎて自転車がこげない(押して歩いているらしい!)、との情報を得たので山をひとつ超えたところの別ルートをとった。
切り立った山、崖の間を縫うように道が走る。
山を越えるとまるでアルプスのような景色が広がっていた。
これまでの乾燥地帯とは一変して、緑豊かな草原が広がる。
この綺麗な景色、老王にも見せてあげたかったな。
けどこの山は越えられなかったかもな(笑)
老王との別れのことを考え切なくなる。
藍くんは時々後ろを振り返り力強く走る。
きっともっと早く走れるのだろうけれど決して早く走り過ぎない。
なんてできた子なんだ。