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W王のいなくなった後

小王と敦煌の前で別れ、老王とハミで別れ、ついに私は一人になった。

今まで二人に頼っていただけに、一人旅に不安がないといったら嘘になる。
でも私は絶対にウルムチまで自転車で行きたい!


私はラッキーだった。

見事なタイミングで台湾の青年 藍くん と出会ったのだ。


老王が転倒し自転車をおりる前日、星星峡という町で「3人のほうが安いから」と3人で宿をとった。

そして早朝、高速道路を一緒に走り、ハミにやってきた。

その途中、老王は転倒し肩を強打。
もう走れないと判断した。

「私の不注意だ、ほんとうに申し訳ない」
老王はうつむいて謝ったあと、

「みおはどうする?」

と問いかけた。
もちろん走りたい、ウルムチまで行きたい。

「わかった」
そして藍くんを説得したのだろうか。

彼はハミからウルムチまでの5日間、一緒に旅することを快諾した。

私は一人になることなく、心強い(力強い!)仲間を得ることになった。
若干強すぎたけど(笑)

約650kmを5日で走る。

先を行く小王から、トルファンを通るルートは現在向かい風が強すぎて自転車がこげない(押して歩いているらしい!)、との情報を得たので山をひとつ超えたところの別ルートをとった。

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切り立った山、崖の間を縫うように道が走る。

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山を越えるとまるでアルプスのような景色が広がっていた。

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これまでの乾燥地帯とは一変して、緑豊かな草原が広がる。

この綺麗な景色、老王にも見せてあげたかったな。
けどこの山は越えられなかったかもな(笑)

老王との別れのことを考え切なくなる。


藍くんは時々後ろを振り返り力強く走る。

きっともっと早く走れるのだろうけれど決して早く走り過ぎない。
なんてできた子なんだ。
by manten-bike | 2010-09-01 00:40 | シルクロード3000km